幻滅

私は相手から賞賛されたり幻滅されたりを多分100回くらい繰り返した


いつものコース


大好き、愛してる、お前がいないと生きていけない→お前はクソ女だな→さよなら→ブロック→数日後ひどいことを言ってごめんなさい→やっぱりお前がいないと生きていけない→お前はクソ女だな→さよなら→ブロック


延々とこの流れ。


彼は根拠もなく、私に見捨てられると根底で感じていた

こうやって試すことで、変わることがない母親からの愛情みたいなものを

私から強請っていた

私をいつも疑って

私が隠れて彼を裏切っていると妄想して

いつでも私を責めてキレたくて

会社で少し上司の男性と業務上話しただけで不安?妄想?が爆発して

「許さない」「裏切り者」「そうやってコソコソ俺を裏切っているんだな」「やっぱりお前はそういう女なんだな」「その上司と不倫したいんだろ」「どうぞご自由に」「さよなら」


と鬼LINEがよく来ていた


境界性や自己愛性の疑いがあると判断していた私は最初は

「違うよ」「どうしてそんなこと言うの」「悲しいからやめて」「いい加減にして」


などと冷静に対処していた

途中からイライラしてきて、仕事も手につかなくなるし

勝手にしなさい。などと突き放したりもした

40代の彼からの返信は

「しね、クソが」

だった


ブロックされてしまうから相手を説得することさえ不可能

だからほっとくしかなく。


ある日、私が生まれてはじめてインフルエンザにかかった日。

最初は心配してくれた

でも、会う約束をしていた日にインフルエンザになってしまったのと

会社の忘年会後にインフルエンザになってしまったのが

だんだん彼の地雷をじわりじわりそろりそろりと爆発させてしまった


「インフルエンザで実家で過ごせて、俺といるよりよかったんじゃない」

「移されたくないし、会わなくてよかった」

「どうぞ実家でせいぜいゆっくりしてください、良いお年を、あ、もう一生会わなくてもいい」

「メールアドレス、新しく作り直せよ」

40度近い熱が出ているときにこんな連絡を連発されて


「あなたは、私が具合悪くても自分のことばかりなのね。悲しいわ。」

と返したら

「何?何の心配?あぁ、インフルエンザ?わざとしなかった。会社の忘年会なんか行くからだよ。何?何かご不満でも?」

「せいぜい実家でラクして年越しでもしてください」

「心配だからインフルエンザ陰性になったら教えて」

「移されたくないから2週間後なら会ってあげるよ、どうしてもって言うなら。」

「やっぱいいや、春になったら会いましょう」

「メール全部消すわ、返信不要」

こういう にっくたらしー言い回しがほんと大嫌いだった

だから私も

「もういい、つかれた、具合悪くても自分の心配しかしないあなたは大嫌い。LINEもメールも全部消してください、あなたは他にもターゲットを探しているのでは?」

と送りました

相手も
「わかりました、全部消しました、返信不要」


またそれで話が終わって、

インフルエンザが陰性になったから、未練もあって彼にも人間の心が残っていればと思って

インフルエンザが陰性になった証明書の写真だけ本文は書かずメールした

完全に私は共依存

そしたらまたきた

「いつ来んの?今すぐ来ないのね、あっそわかりました、良いお年を」


私いつ、行くって言ったっけ

入力してても胃が痛くなる


私「熱が高かったから、下がっても頭が痛くて、とてもじゃないが行くなんて無理だよ」


彼「だめ、それでも来い」

彼「来ないのなら、一生会わない、それでもいいんだな」


生まれてはじめてインフルエンザにかかり

本当に体がきつくて頭割れそうで、咳も残ってると言っても

彼「だから何?熱あっても仕事は行くよね?俺は?こういうときにこそ本気出したらいかが?」



彼は昔、熱があっても出社する私に、

「ひどい会社だ、ブラックだ、具合悪いときこそ休ませて、更に仕事を頑張れるようにするのがいい会社だ、お前の会社はおかしい」

って散々言ってたのに

じゃああんたは、誰も就職したくないブラック彼だねって言ってしまった

あまりに支離滅裂で腹立って。

彼の中には幼児がいて

さみしいよさみしいよかまってよって言いたいだけなのかもしれないけど

幼児が過ぎて、悪魔が棲んでると本気で思った


根負けして私は病み上がりの体で会いに行った(共依存だったから)

でも、迎えに来るわけでもなく、道中私は、何かがサーッと幻滅していくのを

やっと、やっと、感じた


「私は、愛されてなんかない、ダメになってしまう、私も彼をダメにしてしまう、二人の間には何にも、何にも生まれない…」


その後、嬉しそうに私を迎える彼を見たとき

私は怒りも悲しみも苦しみも優しさも愛情も失って

「無」になった

だから笑えなかった

「もう好きじゃないわ、私」

って実感。

あまりの試し行為に、冷めた。

そこからが早かった。もう笑えなくなった。

帰ってから、

「体調悪いのに無理して行ったから、しばらくゆっくり休みたい」

と連絡を入れた

彼は、

「え?自分が来たくて来たんでしょ?俺のせい?」

「俺は数日前に言ったこと忘れちゃう。覚えてないから。」


あ、まじでもう

無理だ。